任意整理

借金の総額が比較的少ない方

任意整理は、借金の総額が比較的少ない（数十万円～100万円程度）方に適しています。借金額が少ないほど、分割返済による完済が現実的になります。100万円未満の借金で収入がある方なら、通常は任意整理による解決が可能と判断されることが多いでしょう。借金の総額が多額になると、返済が長期化して現実的でなくなる場合があります。

安定した収入がある方

任意整理は、安定した収入があり、毎月の返済が継続できる方に適しています。給与所得者や安定した事業収入がある自営業者など、定期的な収入が見込める方が対象となります。任意整理後は分割返済が始まるため、継続的な返済能力が重要な要素となります。

5年程度で完済できる見込みがある方

任意整理後の返済期間は一般的に3～5年程度です。この期間内で返済が可能な方には、任意整理が適しています。月々の返済額が収入に対して無理のない範囲に収まることが大切です。長期間にわたる返済計画は破綻するリスクが高まるため、現実的な返済計画を立てることが重要です。

将来の利息がカットされる

任意整理では、将来発生する利息がカットされるため、元金だけの返済となります。これにより、返済総額が大幅に減少し、完済への道筋が見えやすくなります。

財産を手放す必要がない

自己破産とは異なり、任意整理では財産を手放す必要がありません。マイホームや車などの財産をそのまま保有したまま債務整理ができます。

特定の借入先だけを対象にできる

すべての借入先を対象にする必要はなく、返済が厳しい特定の借入先だけを任意整理の対象とすることができます。例えば、住宅ローンや車のローンは任意整理の対象から外し、消費者金融やクレジットカードの借入だけを対象とすることも可能です。

まわりに知られにくい

任意整理は裁判所を通さない手続きなので、自己破産や個人再生と比べて、周囲に知られにくいという特徴があります。

信用情報機関に記録される

任意整理をすると、信用情報機関（いわゆるブラックリスト）に約5年間記録されます。この期間中は新たなクレジットカードの作成やローンの利用が難しくなります。ただし、自己破産や個人再生の場合（約10年間）と比べると、記録される期間は短いです。

ブラックリスト

債務が完全になくなるわけではない

任意整理は借金をゼロにする方法ではなく、将来利息をカットして分割返済する方法です。元金はきちんと返済する必要があります。支払いが難しい場合は、自己破産などの別の方法を検討する必要があります。

安定した収入が必要

任意整理は分割返済が前提となるため、安定した収入がない方には適していません。収入に不安がある場合は、別の方法を検討した方が良いでしょう。