今回は、不倫の慰謝料請求に関して、弁護士に依頼するメリットと思われることを書きたいと思います。

不倫の慰謝料請求に限りませんが、示談交渉に関して弁護士に依頼するメリットとしては、適正水準の慰謝料額を念頭に置いたうえで交渉することが可能となるでしょうし、また、法的に問題のないことは勿論のこと、後で紛争が蒸し返されることなく、また、依頼者の要望を盛り込んだ示談書の作成が可能になること等が挙げられるかと思います。

以上のメリットは一般的で当たり前のことかもしれませんので、特に、不倫の慰謝料請求に関してメリットとして思い浮かぶことを次に書きます。

たとえばAさんが、Aさんの配偶者がBさんと不倫をしていることを知り、Bさんに対し、単に慰謝料を請求するだけでなく、感情的になって「Bの勤務先に不倫の事実をばらす」等と告げ、実際にそのような行動を取ろうとする方もおられます。

このような場合、Bさんが弁護士に示談交渉を委任すれば、その弁護士は、Aさんに対し、Bさんが不倫をしたことを謝罪しつつ、勤務先に不倫の事実を伝えることは名誉棄損にあたる可能性が高いことを指摘し、そのような行動を取らないように求めることになるでしょう。この場合、Bさんの代理人弁護士から要望を受けたAさんが名誉棄損にあたる行動を取ることを抑止する効果を、かなりの程度期待できるのではないかと思います。