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不倫の慰謝料請求について・その4

不倫の慰謝料請求について、ご相談やご依頼を受けた場合に、どのような解決方法を取るのが最善か、特に慎重に考えなければならないのが、いわゆる「ダブル不倫」のケースです。ダブル不倫とは、既婚者同士の不倫(不貞行為)を指します。

今回も不倫(不貞行為)の慰謝料請求をしようとする立場(Aさん)から、そのダブル不倫についてのコラムを書かせていただきます。

Aさんの配偶者をB、Bの不倫相手をCとして、AさんがCに対して慰謝料請求すると仮定します。前回は、Cが既婚者であるかどうかについては問題にしませんでしたが、今回は、Cが既婚者であり、Cの配偶者をDと仮定します。

Cが既婚者である場合に,AさんがCに対して慰謝料請求をしたいと考える際、注意しなければならない点は、Cの配偶者Dも、Cの不倫相手Bに対して慰謝料請求することが可能だということです。

Aさんは、Cに慰謝料請求をして、Cから慰謝料を受け取っても、後にDがBに対して慰謝料請求し、BがDに慰謝料を支払うことになる場合があることを想定しなければなりません。

そうすると、Cの配偶者Dが、CがBと不倫していることを既に知っているような場合は、A、B、CそしてDの4者間で、「AとDは共に慰謝料請求権を放棄する。BとCは互いに今後不倫をしないことを約束する。」といった内容の示談をして解決することも考えられます。もっとも、この点については、Aさんは、「Bにお灸をすえる意味でも、BがDから慰謝料請求されても別に構わないし、その時はBの貯金から慰謝料を支払えばよい。」と考え、Aさんは、ぶれることなくCへの慰謝料請求に突き進む場合もあります。

AさんがCに慰謝料請求しようと考えている場合に、Cの配偶者Dは、BとCの不倫の事実を知らない場合もあります。この場合は、AさんがCに慰謝料請求すれば、それがきっかけとなって、CがDに不倫を白状すること等によりDが不倫の事実を知り、DがBに慰謝料請求する結果となってしまうこともあります。

このようにダブル不倫の場合は、様々なケースが想定されますので、どのように解決を図るかは、不倫に関する委任を受けた弁護士の腕の見せ所と言えるかもしれません。