前回は、不倫(不貞行為)の慰謝料請求をされて法律相談を受けた場合の、慰謝料金額に関するコラムを書きましたが、今回は、慰謝料請求する立場の方(Aさんとします。)から,よく受ける相談の内容に関してコラムを書かせていただきます。
Aの配偶者をB、Bの不倫相手をCとして、AさんがCに対して慰謝料請求をすると仮定します。AさんとBの婚姻関係が破綻に至っていないような場合は、Aさんは、単に慰謝料請求するだけでなく、BとCが二度と不倫しないように、Cに対してBに二度と接触しないように求めたいと考えるのが自然といえるでしょう。
CがBと不倫をしたことを認めたことが前提ですが、AとCとの間に慰謝料の金額について合意に至り、さらにCがもう二度とBに接触しないことも約束したとします。この場合は、示談書の中に、慰謝料に関する条項の他に、「面会、手紙、電話、電子メール、SNSその他方法の如何を問わず一切接触しないことを約束する。」といった内容の接触禁止条項を設けます。
なお、BとCが同じ職場である場合には、現実的にBとCが一切接触しないことは困難ですから、接触禁止条項の中に「業務上必要な場合を除き」といった例外を盛り込むことがあります。